研究紹介
情報認識学研究室
研究テーマ
妖精が見守ってくれる日常
ますます利口になっていくロボットや人工知能と我々はどうやって共生していくのでしょう.一つの答えは,「我々の暮らしを豊かにするための技術」としてそれらを捉えることでしょう.情報技術に見守られながら心穏やかに楽しく暮らしていくための技術を我々のところでは「妖精IT」と呼んでいます.技術が妖精になるには要件がいくつかあります.
1.一つ目は「普段は見えないこと」
2.二つ目は「必要なときに出てきてくれること」,そして最後は,
3.「必要な助けを差しのべてくれること」になります.
このような検討はかなり前からあります.初期には「スマートホーム」,最近では「環境知能」,そして現在はIoT(Internet of things)と呼ばれることが多い技術です.スマートホームでは,各種センサーを家中に取り付けて生活を支える技術を開発することを目的とし,環境知能は“見守り”や“サービス”に目的がシフトしています.IoTは個別のモノがインターネットとつながることで広がる新しいセンシング技術を指すと考えていいでしょう.我々の「妖精IT」は環境知能の思想に最も近い一方,生活主体が人であり情報技術がその自然な営みを邪魔しないことを謳っている点が独自性を高めています.
センサーを利用した試みをいくつか紹介します.圧力センサー椅子を使って世界初の「座った人が誰であるかを見分ける装置」を作りました.
プライバシーを考慮して,天井に赤外線センサーネットワークを作り,「居住者のいつでもどこでも認証」も行っています.これは独居老人の転倒検出や行動分析などに応用しています.
ソフトウェアとしての研究として,このような個人識別や動作解析に必要となる,高性能・高速な識別子の開発を理論的な観点からおこなっています.十分少ない誤りなら許すことで世界最高速な最近隣識別子などを開発しています.
ちょっと楽しい試みのビデオもどうぞ。これは教授のリクエストに応えて学生有志が数日で作ってくれたものです。