研究紹介
ヒューマンコンピュータインタラクション研究室
研究テーマ
人とロボットが共生する社会の実現へ向けて
お掃除ロボットや受付ロボット、エンタテインメントロボットなど、われわれの日常生活の中でロボットをよく目にするようになりました。近い将来、人工知能を搭載したロボットがわれわれの生活を支援する社会が実現されると言われています。しかし、このような社会を実現するためには、解決すべき問題がたくさんあります。われわれの研究室では、人とロボットが共生する社会を実現するために、さまざまな研究テーマに取り組んでいます。
たとえば、ロボットは人同士が会話している空間を認識したり、その会話の邪魔をしないようにしたりする気配りができません。そこでわれわれは、人同士の会話の活性度を計算するシステムを構築し、会話の盛り上がり具合をロボットに教えてあげるようにしました。このシステムでは、対話者間の距離、音声データ、身体動作などの情報を用いて、リアルタイムで活性度を計算することができます。この活性度を用いることにより、ロボットは会話空間に侵入してよいのか、会話を中断してよいのかを判断することができるようになり、気配りのできる、文脈適応的な行動をとることができるようになりました。
さらに今後は、複数のロボットが人の支援をする機会も増えると思います。われわれは、上記の会話の活性度を計算するシステムを応用し、複数のロボットの協調的な動作を生成することにより、人の注意や視線を容易に誘導することができるシステムを構築しました。このようなロボットの動作生成システムは、従来の社会的ロボットの研究にはなかったものであり、今後、受付ロボットや、家庭向けホームロボットにも応用可能であると考えています。