研究紹介
知識ベース研究室
研究テーマ
複数国のニュース記事の比較
近年,インターネットを利用することにより,様々な国からのニュース記事を読むことができるようになりました.一般に,どのような内容をニュース記事として取り上げるのかというのは,想定される読者の興味を反映すると考えられるので,世界中の記事を比較することにより,想定読者である各国の読者の興味の違いを分析することが可能になります.例えば,世界的な話題として,サミット(先進国首脳会議)が行われた際に,それらに関する記事数の時間的遷移を見ることで,興味の度合いを分析したり,サミットの記事にどのような話題が含まれるのかを比較することで,興味の対象の違いを分析したりすることが可能となります.
我々は,このような興味の違いを分析するために,従来型の重要語抽出の方法に基づく分析に加え,他の国との比較を行うことによって,浮かび上がってくる重要語にも注目した分析方法を提案しています.例えば,サミットの話題として,経済や安全保障に関する話題は,すべての国において,重要な話題と認識されて報道されますが,人権や,地球温暖化といった主要な話題に比べるとマイナーな話題については,各々の国の興味に応じた報道になる可能性が高くなります.本研究室では,データセットの違いを比較することによって浮かび上がってくるような特徴を見出す手法であるコントラスト・セット・マイニングの手法を提案するとともに,ニュース記事を含む様々なデータに対しての応用方法について研究を行っています.
ナノ知識探索プロジェクト
ナノ知識探索プロジェクトは、このようなナノ結晶デバイス開発の研究を行っている北大の量子集積エレクトロニクスセンターとの異分野融合の共同研究プロジェクトである。
ナノ結晶デバイスとは、ナノスケールの結晶構造を用いたデバイスであり、半導体や太陽電池といった様々な分野での応用が期待されている。このナノ結晶デバイスの開発プロセスにおいては、第一原理に基づくような計算だけではなく、主に経験に裏打ちされた多くの試行錯誤が必要とされている。
本プロジェクトでは、ナノ結晶デバイス開発の現状を受け、その開発プロセスに関する情報を整理することによって、ナノ結晶デバイスの開発者への情報提供を行うと共に、その知識化を支援する事を目標としたプロジェクトである。
具体的には、実験記録からのデータマイニングや、関連論文からの実験に関係する情報の自動抽出システムの研究などを行っている。